看護部

看護部長からのメッセージ

 地域包括ケアシステムを完結するために、精神科病院では地域で暮らす患者さんが必要な時に入院できるよう急性期医療の充実が重要です。そして、一日も早く元の生活に戻れるケア提供と共に、入院が必要となった要因を調整する支援システムが求められます。長期入院患者さんに対しては、「不安でも今後は自分の時間を生きてみたい」と思われる動機づけや、さまざまな可能性にチャレンジできる機会を提供するチーム医療が必要となります。私たちは迷い・悩み・苦しみながら、一丸となって取り組んでおります。その経緯から、「自分のケアが患者さんに役立っている」「チームカンファレンスで自分の考えを伝えることができた」という達成感を持てるようになりました。

 多様な精神症状や認知機能障害によって、うまく自分の思いが伝えられず、時には拒絶に遭遇することもありますが、寄り添い意思決定の支援を通して、看護の原則となる患者-看護者関係の技術を習得することができます。

 2022年度から、統合失調症患者さんや認知症患者さんの症状に違和感を抱いたケースや、ケア介入に行き詰ったケースなどを神経内科医にコンサルテーションを受け、脳の構造・機能を理解して、看護ケアの見直しをしています。例えば、暴言・暴力に苦慮していたケースでは、CT画像検査から進行性失語症の指導を受け、クローズド・クエッションに変更しました。また、食事を投げつけ拒食するケースには、脳波検査から側頭葉てんかんが関与していることのアドバイスを受け、てんかん発作のアセスメントを追加しました。このようなコンサルテーションを通して、精神科看護の新たな発見をしています。

 教育はラダーを導入してキャリアアップを図り、院外研修会や学会参加を通して自己啓発に取り組んでいます。

仁明会病院 看護部長  大塚 恒子

看護部目標

  • 診断名に引きずられないアセスメントと、臨床推論を大切にしていこう
  • 看護職のタスク・シフト/シェアを追求して、看護の専門性を確立し、より充実したチーム医療を創設しよう
  • 特に協働する看護補助者の活用を推進し、安全で満足度の高いケアを提供しよう
  • 私たちは、専門職である前に人としての道徳心と品格をもちましょう